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商品認知度とサービスの認知


本コラムは、2002年に発表したものです



今回のテーマは、「商品認知度とサービスの認知」についてです。

先日、家電を販売するあるショップ様から「サイトのプロモーション」についてご相談を受けました。商品は、どこの電気屋さんでも購入ができる大手家電メーカーの商品で全国的にすでに認知度のある商品です。

さて、このコラムを読んでいただいている通販主催サイト様の”商品”や”サービス”は認知度がすでにあるものですか、それとも認知度がこれから必要なものですか?

下記のような図にすると、各通販サイト様にも分かりやすいと思います。(認知度の絶対指数を100と仮定)

 A) すでに商品の認知度が高いもの
認知指数 80

 B) これから商品の認知が必要なもの
認知指数 20

お気づきになられた方もいるかと思いますが、A)すでに商品の認知度があるものは、改めて「商品のPR」を行なうだけ費用や時間のロスになります。メーカーの商品などであれば、すでに一般消費者に広めるための宣伝を行なっている場合が多いですから、「同じ商品を扱っている同業他社と比較して何が独自のサービス」になりうるか、この点をプロモーションするだけです。商品認知よりも、サービスの違いに比重が必要ということになるわけです。サイト運営で言えば、「○○店長のコラムが面白い」「商品の説明が他店よりも細かくてわかりやすい」「ラッピングがオリジナルである」「送料がサービスになる」「ポイントがつく」「ギフトにも対応している」などです。

ネット通販の場合、その特徴として、同じ商品を販売する店舗が複数あった場合、賢いユーザーは1つの商品を購入するために何店舗か見て回ります。これは、常時接続回線などが伸びてきた昨今顕著になったと感じられます。ぜひ、サービスの違いを打ち出すように検討してみてください。

またもう一方の、B)商品の認知が必要なものですが、方法は大きく分けて2つあります。

1つは、あくまで「間口を狭めて販売する」方法、もう1つは「間口をできるだけ大きく捉え、その後購入者を絞り込む」方法です。前者は、そもそも”購入したい”ユーザーだけを地道に取り込んでゆく方法ですので”認知度”を上げるという手法とは大きく異なります。難しい方法ですが、長い期間を掛けて売上を上げてゆくことができればロイヤル顧客を育成でき安定したWEBショップ運営も可能です。より独自性を持った商品などの場合には有効です。(この方法は、例えば地域の概念を持たないネットにおいて、どうしても”東京都”だけのユーザーを対象にしたいという場合のようなものです。そもそも必然的にサイトの対象が全国区になってしまうにも関わらず、特定の地域だけにはじめから絞り込んでゆく方法です)

さて、もう1つの「間口をできるだけ大きく持つ」方法ですが、イープレスではこちらをお勧めしております。ネットでは、比較的容易にその方法が取れるからです。もちろん、認知度を上げる過程においては、”通販未経験のユーザー”や”購入意欲の低いユーザー”も多分に含まれますが、「商品の認知」を上げることで「ショップへの信用や安心感、そして認知」にもつながるメリットを持ちます。

しかし、それだけでは当然、結果には結びつきません。あくまで多くのユーザーが、商品やショップを「知った」というだけに過ぎません。ここから販売に結び付けてゆかなくてはなりませんが、このとき、「間口を広げる」という観点からいえば、「できるだけ広い話題」から絞ってゆくことが重要になります。

例えば、現在イープレスの取引先で「音楽をテーマにしたTシャツ販売店さん」があるのですが、プリント柄が非常に特殊なものなので、即販売には結びつきにくいと考えております。そこで、テーマが「音楽」ということから、「音楽情報」、またプリント柄のデザインをしているのがその世界では著名な海外の画家ということで「画家の情報」「出身国の情報」、また”絵画”に関連して「美術館情報」などと本来のTシャツ販売とは一見無縁遠くみえるようなコンテンツも盛り込み、”関心”を持ってもらおうと、販売先の社長様とお話しております。

販売する商品の認知度がこれから必要なものなので、当然、商品を広く宣伝することは行なうわけですが、底辺からの購買意欲を拡大してゆくという点も踏まえて、関連情報を新たなコンテンツとして盛り込んでゆく予定です。(こちらの方法は、例えば、自社の商品に関心を持っているユーザーは本来は”東京都”に多いのだが、ネットの特徴を生かして、まずは全国的に広めようというものです。そのためには、様々な付加情報をサイト内に盛り込み、できるだけ広範囲に知らしめ、後に各都道府県の中から対象ユーザーを絞り込んでゆくというものです)

皆さんの商品やサービスは、A、Bいずれのものでしょうか。